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くらふとばんしょう

日本唯一。
有職御木具師の典雅な技。

 

くらふと ばんしょう
代々禁裏御用の御木具師(おんきぐし)をつとめてきた、橋村家の二代橋村萬象氏の三男佳明氏が平成16年に立ち上げたブランド。曲物などを御所に納めてきた木地製作の技術を応用し、現代生活に即した木地製品を積極的に提案している。ブランド名の「ばんしょう」は、現在は茶器を専門に製作する初代橋村萬象(ばんしょう)氏に佳明氏が師事したことに由来する。用いる素材は秋田杉か吉野杉の貴重な柾目板のみ。それも切り出してから10年以上乾燥させたものしか使用しないという徹底したこだわりを持つ。

橋村家系譜
奈良時代…御所禁裏御用の「御木具師」として曲物などを御所に納めはじめる。
平安時代…遷都により、奈良から皇室のお供をして京都へ移住する。
明治時代…東京遷都で京都に存在した御木具師4軒の内3軒は東京へ移住するが、橋村家のみ京都に残る。御所出入りの仕事も続けながら茶道具の製作を開始。
平成16年…茶器以外の曲物を提案するブランドとして「くらふと ばんしょう」を開始。現在御木具師の系譜を絶やさず、平城京の時代から1300年近く木地製作を続けているのはここ、橋村家のみである。

 

橋村佳明
昭和42年生。二代橋村萬象氏の三男。昭和58年初代橋村萬象氏に師事。平成16年<くらふと ばんしょう>を開始。
「木を扱っているととても穏やかな気持ちになります。これからも受け継いだ木具師の技術を活かし、現代の生活に溶け込めるものを提案してゆきたいと思っています。使っていただいた方にも、穏やかな気持ちになっていただけたら嬉しいですね。」

 

檜兜(ひのきかぶと)― 有職御木具師のわざ

 当家に残る資料の中でも、とりわけ大切に伝えて参りましたのが、「檜兜」の木型です。

檜兜とは、総檜で作られる古式ゆかしい飾り兜で、端午の節供に飾られました。
主に天皇家、上級公家( 五摂家など)の依頼により有職御木具師が御用を賜りました。

木型を収めた木箱の蓋裏に完成図が描かれ、中には木型のパーツが仕込まれています。
寛政年間(1789~1801)のもので、宮中の「上仕立て」ご注文の型としては大変貴重なものであります。
また面(おもて)の木型の裏には「麩又」と刻まれています。

元号が「寛政」に改まった一因である「天明の大火」(1788)で家屋が焼失したことから、当家も生麩や焼き麩などを作って生計をたてながら、家業である御木具師の仕事を続けた時代がありました。
天明の大火は、出火元が御所で、18万家屋が焼失して洛中が焼け野原になり、江戸期の中でも京都中が大変な時代となりました。

 檜兜の木型が残っておりましても長らくご注文を頂くことはなかったのですが、このたびご縁があって復元する機会を頂きました。

兜の頂には「出し」という絹製の菖蒲の造花を決まりの数だけ飾り付け、また長寿の「長」の字を付けて神の降臨の目印としています。
檜を帯状に細長く削ったものを垂らす独特の様式は、神事に用いる御幣の形を転用したものと考えられており、そこには神の力によって災厄を祓う節供の本義が込められています。

(『茶の湯の曲物 木具師の仕事、そのわざと美淡交社刊 より)

 

 

 

▲(左)朴(ほお)の木の作業台で仕事中の橋村さん。
「道具は手の延長です。」
▲(中)江戸期のものと思われる注文書。 ▲(右)工房横にかけられていた
「有職茶器御木具師」と書かれた掛札。

 

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